そこで今回Gender free makeupのプロジェクトを手がけるメイクアップアーティストのMARINO ASAHI さんに話を伺ってきました。
プロジェクトや経歴が新しい、新進気鋭のメイクアップ アーティストです!
美容とは関係のない仕事からメイクアップアーティストへ!?
正直すごく不安でしたね。その会社で働いた方が将来安定しますし、上司や同僚にも恵まれていたので、会社を辞めるかとても迷いました。でも、メイクさんになるって決めて就職もしていたので、「このまま目的もなく働くより、目標があってやりたいことがあるなら一回挑戦してみた方が良いのかな」と思い、退職を決断しました。
それで渡英してからはどんな事をやっていたのですか。メイクの学校にいかれたとか?
そこから雑誌などでメイクを担当したそうですが、どのようにメディアとのつながりを持たれたんですか?
独学でやったから考える力がついた
独学でメイクを学び海外で雑誌をやる人がいるなんて......。
メイクを独学でやっている人に出会ったことがなかったのでとても興味があるのですが、独学メイクを学んでみて良かった事、逆にここが大変だったなどありますか?
うーん、メイクのやり方を自分で考えて編み出す点ですかね。自分で考えるから、綺麗に見える理由が理解できる。その分応用もできるようになると思います。 あと、人とやり方が違うこともありますが、それは時によって自分の味になるとも思います。人からメイクのやり方を一方的に教わってしまうと、それが正しいと考えてしまって違うやり方でできなくなる。それが固定概念になってしまい、抜け出せなくなることもあると思います。だから学校でも、先生の言うことをただ鵜呑みにするのではなく、何でそうなるのか、理論や理由を自分の中で納得いくまで考えることが大切だと思います。 私の場合、人脈の作り方やメイクさんになる方法についても教えてくれる人がいなかったので、自分で考えて道を作るしかありませんでした。今思うと、そのおかげで自分で考えて行動をするという、大事なスキルを身につけることができたと思います。
そうですね、全部自分ですからね。ただ、学校に行っている人は、肌やメイクの基本的な正しい知識が身についているのでいいなと思います。同じ志を持った同級生がいるのも羨ましいですね。あと、独学だと最初のうちは撮影現場で的外れなことをしている可能性があるので、それは要注意ですね。
僕はアシスタントについたので、その辺の悩みを感じたことなかったからとても新鮮です笑
今は日本で活動をしているとのことですが、実際にどんな活動をしているのでしょうか?
そうですね。何をもって「美しい」、「醜い」というのかに興味がありました。でもそれって国や地域によって違いますよね。結局美しいって内面からくるものも大きいと思うんです。 だから、私はメイクを通して人に自信を与えることができたらと思いました。隠すメイクではなく、隠さないメイクで。その人が思う美学で「自分らしいメイク」をする。そうすることで、もっと自分らしい毎日を過ごしてほしいと思っています。
こういう発想から、ジェンダーフリーの企画が生まれたんですか?
そうですね、今の企画は「ジェンダーフリー」という性別に関する企画になっていますが、 今後また別の企画も考えています。基本的に多様性が認められる社会を目指したいと思っていて、世の中からあらゆる差別や暴力が無くなって欲しいと思っています。ジェンダーフリーの企画に関しては、「女性が女性らしいメイクをする」「男性が男性らしいメイクをす る」それか、「男性はメイクをするべきではない」「女性はメイクをするべき」という一般的概念を覆したいという気持ちではじめました。TPOもあるので、今までのメイクを否定すると言うわけではないのですが。
そうですね。でも、男性が化粧をすることを笑うのってどうなんだろうと思うんです。それってある意味差別で、メイクはしたい人がすればいいし、したくないならしなくていいと思うんです。 あと、過去に、「なんでスカートを履かないの?」「女性らしい髪型にしなよ」など、自分に女性らしさを強要されたことが何度もあって、それが私は凄く嫌でした。その経験があの企画を始めた大きい理由でもあります。
固定概念というか、誰かの当たり前に当てはめられている感じはありますよね。
まさにそうですね。
質問は以上になります。最後、読者の方に一言いただいてもよろしいでしょうか?
そうですね。今ジェンダーに囚われず様々なコスメが出てきていますが、興味がある人には 是非メイクを使って自由に遊んでみて欲しいです。また、メイクに興味のない、やりたくない人は、そのままやらなくていいと思います。どんなメイクをするか、メイクをするもしないも、全部本人の自由だと思います!
メイクに対する気持ちや、自分がやる意味を考え実行しているASAHIさん。
インタビューを通しても僕自身とても考えさせられました。少しでもこの記事を読んでくれた人が、ジェンダーや差別、格差について考えてくれたら嬉しいです。