メイクアップは一つの選択肢!メイクアップアーティストが語る自分のあり方
最近ジェンダーについての話題が尽きませんよね。
化粧品業界をみてもジェンダーレスメイクアップや、メンズメイクなど雑誌やテレビなどで取り上げられ、注目が集まっています。

そこで今回Gender free makeupのプロジェクトを手がけるメイクアップアーティストのMARINO ASAHI さんに話を伺ってきました。

プロジェクトや経歴が新しい、新進気鋭のメイクアップ アーティストです!

美容とは関係のない仕事からメイクアップアーティストへ!?

こうすけ
本日はよろしくお願いします!

MARINO ASAHI
よろしくお願いします。メイクアップアーティストのAsahiです。

こうすけ
Asahiさんはどのような経歴でメイクアップアーティストになったんですか?

MARINO ASAHI
大学在学中、メイクに興味が出て、専門学校に行きたいと思うようになりました。でも、当時はまだ学生だったので、自分に専門学校の学費を払えるほどの貯金もなく、既に就職先も決まっていたので、とりあえず大学卒業後は一般企業に就職し、土日祝日などの休みを使ってメイクの勉強や作品撮りをして経験を積みました。

こうすけ
それは美容系の会社とかですか?

MARINO ASAHI
いえ、全く美容とは関係のない通信系の企業に就職しました。そこでお金を貯めて、退職後はめいくをするためにイギリスに行きました。合計で、1年半ほど行ってたと思います。
実は僕も半年行ってました!また行きたいな〜

こうすけ
会社を辞めるってなかなか勇気のいる決断だと思うのですが、会社を辞める時ってどんな心境だったんですか?

MARINO ASAHI

正直すごく不安でしたね。その会社で働いた方が将来安定しますし、上司や同僚にも恵まれていたので、会社を辞めるかとても迷いました。でも、メイクさんになるって決めて就職もしていたので、「このまま目的もなく働くより、目標があってやりたいことがあるなら一回挑戦してみた方が良いのかな」と思い、退職を決断しました。

こうすけ
そうだったんですね。ちゃんと行動して本当にイギリスにいくのが凄いな....。
それで渡英してからはどんな事をやっていたのですか。メイクの学校にいかれたとか?

MARINO ASAHI
イギリスで特にメイクの学校には通いませんでした。既に独学でメイクの勉強はしていたので、学校に行くよりも向こうで撮影をしたり、撮影現場を見てみたいと思ってイギリスに行きました。

こうすけ
独学でメイクさんってなれるんですね。
そこから雑誌などでメイクを担当したそうですが、どのようにメディアとのつながりを持たれたんですか?

MARINO ASAHI
一緒に作品撮りをしていたカメラマンさんから雑誌の撮影に呼ばれたのが最初のきっかけでした。そこからは、現場で出会ったスタイリストさんなどと繋がって、少しずつ人脈を広げて行きました。
やはり自分から動いていく事が大切なのか....

独学でやったから考える力がついた

こうすけ

独学でメイクを学び海外で雑誌をやる人がいるなんて......。

メイクを独学でやっている人に出会ったことがなかったのでとても興味があるのですが、独学メイクを学んでみて良かった事、逆にここが大変だったなどありますか?

MARINO ASAHI

うーん、メイクのやり方を自分で考えて編み出す点ですかね。自分で考えるから、綺麗に見える理由が理解できる。その分応用もできるようになると思います。 あと、人とやり方が違うこともありますが、それは時によって自分の味になるとも思います。人からメイクのやり方を一方的に教わってしまうと、それが正しいと考えてしまって違うやり方でできなくなる。それが固定概念になってしまい、抜け出せなくなることもあると思います。だから学校でも、先生の言うことをただ鵜呑みにするのではなく、何でそうなるのか、理論や理由を自分の中で納得いくまで考えることが大切だと思います。 私の場合、人脈の作り方やメイクさんになる方法についても教えてくれる人がいなかったので、自分で考えて道を作るしかありませんでした。今思うと、そのおかげで自分で考えて行動をするという、大事なスキルを身につけることができたと思います。

こうすけ
確かに自分で考える力はつきそう。人に言われてなんとなくするという事がないですもんね。

MARINO ASAHI

そうですね、全部自分ですからね。ただ、学校に行っている人は、肌やメイクの基本的な正しい知識が身についているのでいいなと思います。同じ志を持った同級生がいるのも羨ましいですね。あと、独学だと最初のうちは撮影現場で的外れなことをしている可能性があるので、それは要注意ですね。

こうすけ
あー確かに、、、そういう技術以外の事を教えてくれる人がいないのは大変だな。

MARINO ASAHI
そもそもメイク道具をどうテーブルに並べていいかわからなかったので、めちゃめちゃな並べ方をしていましたね(笑)
こうすけのメイクキット。もうちょっと綺麗に並べたい(T ^ T)

こうすけ

僕はアシスタントについたので、その辺の悩みを感じたことなかったからとても新鮮です笑

今は日本で活動をしているとのことですが、実際にどんな活動をしているのでしょうか?

MARINO ASAHI
今はファッション系の仕事がメインで、雑誌や広告、ミュージックビデオのメイクが主な活動です。

こうすけ
もともとファッションに興味があったんですか?

MARINO ASAHI
いえ、実はそうじゃないんです。(笑) メイクに興味を持ったきっかけは、人の顔に興味があったからです。

こうすけ
人の顔にですか!?

MARINO ASAHI

そうですね。何をもって「美しい」、「醜い」というのかに興味がありました。でもそれって国や地域によって違いますよね。結局美しいって内面からくるものも大きいと思うんです。 だから、私はメイクを通して人に自信を与えることができたらと思いました。隠すメイクではなく、隠さないメイクで。その人が思う美学で「自分らしいメイク」をする。そうすることで、もっと自分らしい毎日を過ごしてほしいと思っています。

こうすけ
隠さないメイクアップ素敵ですね!!
こういう発想から、ジェンダーフリーの企画が生まれたんですか?
ASAHIさんのプロジェクト。素敵なコンセプトだ。

MARINO ASAHI
あの企画を始めたきっかけは勿論それが理由でもありますが、私はとにかく「差別をなくしたい」という理由であのプロジェクトを始めました。

こうすけ
差別ですか?

MARINO ASAHI

そうですね、今の企画は「ジェンダーフリー」という性別に関する企画になっていますが、 今後また別の企画も考えています。基本的に多様性が認められる社会を目指したいと思っていて、世の中からあらゆる差別や暴力が無くなって欲しいと思っています。ジェンダーフリーの企画に関しては、「女性が女性らしいメイクをする」「男性が男性らしいメイクをす る」それか、「男性はメイクをするべきではない」「女性はメイクをするべき」という一般的概念を覆したいという気持ちではじめました。TPOもあるので、今までのメイクを否定すると言うわけではないのですが。

こうすけ
確かにTPOはありますよね。

MARINO ASAHI

そうですね。でも、男性が化粧をすることを笑うのってどうなんだろうと思うんです。それってある意味差別で、メイクはしたい人がすればいいし、したくないならしなくていいと思うんです。 あと、過去に、「なんでスカートを履かないの?」「女性らしい髪型にしなよ」など、自分に女性らしさを強要されたことが何度もあって、それが私は凄く嫌でした。その経験があの企画を始めた大きい理由でもあります。

こうすけ
それ分かります。僕はずっと綺麗なものが好きでしたが、お前が!?みたいな声が多かったです。
固定概念というか、誰かの当たり前に当てはめられている感じはありますよね。

MARINO ASAHI
そうですね。フラットに捉えるのが大切だと思います。

こうすけ

まさにそうですね。

質問は以上になります。最後、読者の方に一言いただいてもよろしいでしょうか?

MARINO ASAHI

そうですね。今ジェンダーに囚われず様々なコスメが出てきていますが、興味がある人には 是非メイクを使って自由に遊んでみて欲しいです。また、メイクに興味のない、やりたくない人は、そのままやらなくていいと思います。どんなメイクをするか、メイクをするもしないも、全部本人の自由だと思います!

こうすけ
確かにメイクは自由ですね!!ASAHIさんありがとうございました!

MARINO ASAHI
ありがとうございまいした!

メイクに対する気持ちや、自分がやる意味を考え実行しているASAHIさん。

インタビューを通しても僕自身とても考えさせられました。少しでもこの記事を読んでくれた人が、ジェンダーや差別、格差について考えてくれたら嬉しいです。

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